かなママの楽しい家族ブログ
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読書のお話

子どもに健康的な食習慣を身につけてもらうための『人生で一番大事な最初の1000日の食事』


こんにちは、かなママです。

今回は『人生で一番大事な最初の1000日の食事 「妊娠」から「2歳」まで、「赤ちゃんの食事」完全BOOK』のポイントをまとめてみました。

科学的根拠に基づく的確なアドバイスが満載の本です。

私は離乳食を始めてから読みましたが、もっと早めに手に取っていれば良かったと思います。

この本を読んで学べること

本の特徴

子どもが自分で食欲をコントロールし、野菜など健康的な食べ物を自分から食べるようになるための、「最初の1000日」におけるアドバイスがまとまっている本です。

「最初の1000日」とは妊娠期、授乳期、離乳期、2歳までの幼児期前半を指しています。

著者はこの期間が健康的な食習慣を子どもに身につけさせるために、一番大事な期間と位置付けています。



ほかの離乳食本などと一線を画す点は、著者が科学的根拠に基づいたアドバイスをしようと努力していることです。

著者のクレア・ルウェリンは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの准教授で、本文中にもある史上最大の双子研究「ジェミニ」に参加しており、子どもの食に関して70以上の科学論文を発表しています。

ヘンリー・サイラッドもユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに在籍しており、乳幼児が「何をどう食べるか」に関して食欲の役割に焦点を当てて研究している心理学者で、幼児の摂食行動について多数の記事を執筆しています。

深い見識のある両者が多数の参考文献を基に書き上げたのが本書です。

彼らの用いた参考文献はダイヤモンド社のサイトから見ることができます。

ただし、さまざまな論文や研究結果の信頼性がどの程度あるのかはわかりません。

その点は但し書きなどにより、文章中でもきちんと考慮されています。

著者は2人ともイギリス人で、アドバイスもイギリスの読者に向けて書かれています。

イギリスと日本では食習慣がだいぶ異なるため、監修者の上田玲子さんが適宜解説を入れてくれています

上田玲子さんは帝京科学大学教育人間科学部の教授で、日本栄養改善学会評議員や、日本小児栄養研究会運営委員なども務めている方です。

帯は宣伝、信じてはいけない

まず表紙を目にしたときに、ぱっと目に入るのが帯ですよね。

大きな文字で「これ1冊で全部安心!」と書かれていますが、そんなことはありません

確かに妊娠期から幼児期までの食事に関するアドバイスがまとまっています。

しかし、たとえば妊娠中の食事について妊婦が注意すべき食材が網羅されているわけではありません。


また「人生は受胎から1000日に口にしたもので決まる!」という表現も、見た人の不安をあおり、本の購入に結びつけるためのキャッチコピーです。

人生が決まるわけではないので、安心してください。

著者も「本書の方法はいつから始めても遅くない」と書いています

それでも読む価値がある

たとえば離乳食について調べるときに、いろいろな書籍やネットの情報を見ますが、情報がバラバラなことが多々あります。

もちろん参考文献の記載がなくても、根拠のあるアドバイスがなされているものが多いと思います。

しかし、アドバイスの中には経験に根付くものが多くあるので、情報がバラバラになってしまうのです。

情報がバラバラだと、どの発信者を信じるかという問題になり、調べる側としては困惑してしまいます。

その点、この本のアドバイスの信頼度は高いと言えるので、この本に載っている基本的なアドバイスを軸に赤ちゃんの食事を考えれば、大きく誤ることはないでしょう。

妊娠期のポイント

食べた方が良いもの/食べてはいけないもの

まず妊娠期の食事で一番妊婦さんが気になるのが、食べた方が良いものと食べてはいけないものだと思います。

この本にも食材を例示して摂取すべき栄養の解説が載っていますが、ここでは割愛します。

必要な情報を入手するには、たまごクラブやPre-moなどの雑誌の特集で十分だと思うからです。

日本でよく使われる食材が載っているので、かえって雑誌の情報の方が有用です。

妊娠中の食事に関する本もありますが、健康的な食生活を意識していれば、あえて本を購入する必要はないでしょう。

ただこの本にはベジタリアン向けのアドバイスが載っていて、さすがダイバーシティの進んでいるイギリスだなと思いました。

ビタミンDを作るために日光浴をしよう

ビタミンD自体の説明は『キャラで図解!栄養素じてん』に詳しいので、じてんも参照しつつお話します。

ビタミンDには、食品に含まれるカルシウムの吸収を助けたり、体内でカルシウムが働くためのサポートをする役割があり、骨や歯、筋肉を作るために欠かせません

ビタミンDは食事だけでは十分な量が摂取できず、日光に当たって皮膚にビタミンDを合成してもらう必要があります。

毎日、数分日光に当たるだけでも十分な量が合成されます。

コロナで自粛の生活が続く中、日光に当たる機会が少なくなっているようであれば、意識して陽に当たるようにしましょう。

妊娠中のお散歩は運動にもなり、ビタミンDも作ることができて良いことづくしです。

3密に気をつけながら行ってほしいなと思います。

健康的な食事を実践するのに役立つ方法

  1. 「目標」を設定する
  2. 「食事のメニュー」をまとめて決める
  3. 「食べた量」をチェックする

この3ステップが健康的な食事を実践するのに有用であることが研究によって示されているそうです。


この方法、よく見るとPDCAサイクルのようになっているので、確かに効果がありそうです。

PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の略です。

物事を改善するのに適していると考えられるプロセスで、ビジネスでは一般常識になっています。

目標設定はSMARTに、という標語も出てきます。

SMARTはSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Realistic(現実的)、Timely(タイムリー)ですね。

SMARTもビジネスの目標設定では大事な考え方です。

方法自体はありふれたものですが、生活への応用という点で良い例だと思いました。

つわりをやわらげる方法

この本で紹介されていた以下の方法、私は知らなかったのですが、ご存知でしょうか。

  1. レモンジンジャーティーを飲む
  2. 淡白で水分の少ない軽食を、一定の間隔で少しずつ食べる
  3. 朝起きたときに水分の少ない軽食を食べる
  4. 脂っこい食べ物や辛い食べ物、においの強い食べ物を避ける

レモンジンジャーティーなどイギリス独特のものかと思いましたが、日本でも販売されています。

たとえばインドの健康法アーユルヴェーダに由来するヨギのハーブティーにもラインナップがあります

ヨギティーはオーガニックのハーブが使われているので妊娠中も安心して飲めますね。

価格も比較的お手頃です。

ぜひ一度効果を試してみてください。


また、食べ物は水分の少ないものを選ぶのが良さそうですね

つわりの方は、このアドバイスを参考に食べられる物を探してみてはいかがでしょうか。

例としては、何もつけていない食パンが挙がっていました。

授乳期のポイント

キーワードは「反応型」

「反応型」は離乳期や幼児食にも共通するキーワードです。

この本の中でも特に大事なキーワードの1つです。

「反応型」とは赤ちゃんが空腹を感じているときに授乳をしたり、食事を与え、満腹であればやめる方法です。

赤ちゃんに無理をさせない方法ですね。

「反応型」の方法を実践するためには赤ちゃんからの合図を見逃さないことが大事です。

著者はぐずる、手足を伸ばすなど赤ちゃんからの空腹や満腹の合図を例示してくれています。

そうした例を頭に入れて、よく赤ちゃんを観察し、赤ちゃんの状態を見極めなくてはいけません。

慣れるまでは判断が難しいところですね。

赤ちゃんにとっての母乳育児の利点

著者は「母乳か粉ミルクかを決めるのはきわめて個人的な問題」としていますが、母乳の利点が多々あることから、母乳育児を推しています

母乳の利点としてよく知られているのは、感染症にかかりにくなるというものです。

ほかの利点として私が驚いたのは、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクの減少や、小児白血病発症率の低下という命に関わる内容です。

また、子どもの食習慣に関しては肥満リスクの低下が挙げられています。

これは母乳に含まれている「満腹ホルモン」が食欲の調整に役立つためです。

また、母親の食べたものの味が母乳に反映されることから「好き嫌い」を減らすのにも役立ちます

この2点が子どもの健康的な食習慣の形成に役立っているのだと考えられます。



私は母乳育児はあきらめてしまったので、こう言われるとその選択は正しかったのかと不安になってしまいます。

しかし粉ミルクが 乳幼児突然死症候群(SIDS)や、小児白血病肥満好き嫌いなどのリスクを上昇させるわけではありません

過剰な心配をする必要はないのです

「母親」にとっての母乳育児の利点

具体的には以下のような利点があるそうです。

  1. 「月経」の再開が遅くなる
  2. 「乳がん」のリスクが下がる
  3. 「卵巣がん」のリスクが下がる
  4. 「2型糖尿病」のリスクが下がる

このような利点があることも私は知らなかったです。

産院では母乳育児、混合、ミルクのみのどれにしたいかを質問票で確認されましたが、それぞれのメリット、デメリットの説明はありませんでした。

学校教育の場などで、こうした大事なことを皆が学ぶことができれば良いのにと思います。

子どもを産む女性だけの問題でもありません

哺乳瓶での授乳で赤ちゃんと絆を築けるのか

著者は明確にこれを肯定しています

これは生まれたばかりの娘に私がミルクをあげるときに一番気にしていたことです。

ちゃんと娘を愛してあげられるか、娘に自分を好きになってもらえるか、最初は不安でいっぱいでした。

授乳の際は何を与えるかではなく、どう与えるかを大切にするよう著者はアドバイスしています。

一番大事なのは赤ちゃんに集中して授乳をすることです。

粉ミルクの作り方

粉ミルクの作り方について注意書きがされています。

粉を入れる前にお湯を入れましょうというもので、私はえ?と思ってしまいました。

自分が粉から入れていたからです。

慌てて使っている粉ミルク(ほほえみ)の缶を確認したところ、粉から入れるのが正解でした。

商品によって違うので、自分の使っている粉ミルクの作り方を確認して作りましょう

母乳のあげ方に関するアドバイス

この本では、一般的な授乳習慣で機能性乳糖過剰摂取という症状の要因になっている可能性があるものを列挙しています。

  1. 授乳を決まった時間に限定して、クラスター授乳を行っていない
  2. いつも張りが強いほうの胸から授乳している
  3. いつも両方の胸で授乳している
  4. 搾乳して、哺乳瓶で飲ませている

クラスター授乳というのは、30~60分おきにミルクをほしがる赤ちゃんに授乳をすることです。

授乳のときの姿勢などは助産師さんから教わりましたが、こういう話は聞いたことがありませんでした。

こうした習慣が悪いと言い切れるわけではないのですが、母乳をあげる時に気をつけることができるものばかりです。

ぜひ参考にしていただきたいなと思います。

離乳期のポイント

「反応型の食事」

「反応型」については、授乳期のポイントでも記載した通り、 赤ちゃんが空腹を感じているときに授乳をしたり、食事を与え、満腹であればやめる方法です。

自分の離乳食のあげ方を振り返ってみると、娘にプレッシャーをかけてしまっているかもしれないと本を読んで反省しました。

プレッシャーの具体例として著者は以下のような例を挙げています。

  • 本人がもう十分食べたのに、お皿の食べ物をすべて食べさせようとする。
  • 野菜など、特定の食べ物を全部食べるまで食事を終えさせないようにする。
  • 本人が欲しがらないのにもう少し食べさせようとする。

準備をした側からすると全部食べてほしいと思ってしまうので、これは難しいところです。


根本的な食事に対する考え方から見直してみるべきなのかもしれません。

残さずに食べることは、少なくとも私の世代では美徳でした。

離乳期以降も子どもは残さずに食べるよう言われ続けます。

給食もそうですし、人から出されたものは全て食べるのが礼儀です。

食べ物を残さないことは果たして子どものためになっているのでしょうか

いろいろな味や食感を経験させる

生後20か月から6歳くらいまでの時期を「ネオフォビア」といって、視覚的になじみのない食べ物をことごとく嫌がるそうです。

一方、新しい味を一番積極的に受け入れるのが離乳の時期です

「ネオフォビア」に入ってしまう前に、さまざまな食材、調理法、料理を試して、食べられるものをたくさん作りましょう


見た目については、子どもに興味を持ってもらう工夫も大事だそうです。

キャラ弁はそういう意味では正解なのですね。

子どもが気づかない制限をする

子どもに食べてほしくないものは、子どもの目に入らないようにするのが一番です。

ただし、制限しすぎてはいけないと著者は言います。

子どもが食べるものを親が全て決めてはいけないのです。

あくまで子どもの自主性に任せ、大人になっても自分でコントロールできるようにするのが大切です。

離乳食のレシピやベビーフードは間違っている


著者は複数の野菜を混ぜたり、野菜に果物を混ぜたりしてはいけないと言います。

苦手な野菜も出し続けていると、その味を好きになってくれるのです。

食べやすいように味をごまかしてしまっては、好きになる機会を逃してしまうのです。


私も最初に試す1回は、味を混ぜないようにしています。

しかし本書によると1回だけでは足りないようで、野菜に慣れた後も混ぜてはいけないそうです。

そうなるとレシピも何もないですね。

個人的には野菜の味を受け入れているのなら、大人の食べ物でも一般的な組み合わせになるよう気をつけて作れば良いと思います

もちろんベビーフードなども必要に応じて活用すれば良いでしょう。

気になる方はぜひ本を読んで、自分はどうするか判断をしてください。

「たんぱく質」が多いと肥満につながる

肥満につながるのが、脂質や糖質ではなくたんぱく質というところに驚きます。

最近は糖質制限やプロテインが流行っているので、たんぱく質の摂取量が多くても問題はないのではないかと考えてしまいます。

けれど、「たんぱく質の摂取量が多いとインスリンの生産を活性化し、血液中の糖が脂肪として蓄えられるのを促すと考えられて」いるそうです。

一方、炭水化物は子どもにとっては大事なエネルギー源なので、大人のように糖質制限をすることはできません。

たんぱく質のとりすぎには気をつけましょう

幼児期前半

「反応型の食事」

「反応型の食事」については、授乳期、離乳期のポイントでも記載したので、ここでは割愛します。

買い物で教えること

子どもと一緒に買い物に行って教えることといえば、野菜の名前や、金銭のやり取りなどが思い浮かびますよね。

著者の切り口は一味違います。

一緒に「お買い物」に行くことは、「あなたが食品ラベルを読む姿を見せ、さまざまな食品群について教え、健康的な選択をする習慣を養う機会になる」そうです。

お買い物をする時、食品ラベルを読んでいますか?

さまざまな食品群について子どもに教えられる知識はありますか?

私は自信がありません。

まずは親が関心を持って学ぶしかありませんね。

おわりに

この記事では私が気になった部分をポイントとして挙げましたが、細かいところではもっとあります。

興味のある部分をもっと深く知りたい、細かいアドバイスまで含め自分のものにしたいと思ったら、ぜひ本を読んでみてください。

良かったら、本の感想なども教えていただけるとうれしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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